南フランスにはローマ遺跡がたくさん残っていますが、その代表格が世界遺産であるポン・デュ・ガール。このポン・デュ・ガールは南フランスのニームとアヴィニョンのちょうど中間くらいにあるガルドン川に架かる水道橋で、紀元前19年ごろのローマ帝国時代に建てられたもの。2000年以上前のものとは思えないくらい保存状態がよく、水道橋の最上部を歩くこともできます(要ツアー参加)。ニームやアヴィニョンからもバスで行くこともできるので、個人でも簡単に訪れることができる人気の観光地です。
ポン・デュ・ガールができた背景は?
2000年以上前にこの水道橋が作られたというのがとても驚きですが、何故このポン・デュ・ガールができたのかというと、ニームの街の発展にありました。ニームの街はイタリアとスペインのちょうど中間くらいにあり、ローマ街道として栄えた街。ニームは交易や交通の重要な地点であったため人口も急増。ニームの街を見てもローマ帝国時代の円形闘技場等の遺跡があり、とても栄えていたとわかります。
水不足のためどこかから水を運ぼう!と考えた時にスポットが当たったのがニームから50kmほど離れたユゼスという街。ユゼスからニームに水を運ぶにはどうしたらよいだろう…と考えた結果、傾斜を利用して運べばいいんだ、と思いついた古代ローマの人々。コレ、すごいですよね。前例があったかどうかはわかりませんが、今のようにネットで簡単に検索できるわけではないので…。ただそんなに傾斜がなく1キロあたり25cmほどのわずかな傾斜を利用して水を運んだんです!この案を思いついた人、天才ですよね!ポン・デュ・ガールは途中にガルドン川があるので、ガルドン川を渡って水を運ばなければならないため作られた橋です。
ポン・デュ・ガールの魅力は?
まさに姿そのものが魅力です!今でも美しい姿を見せるポン・デュ・ガールが建築されたのが約2000年も前と思うと、古代ローマ人の技術がいかに優れているかがわかりますよね!写真を見ても大きな橋だなーと思われた方が多いと思いますが、高さ49m、長さ275mもある巨大な橋なんです!そして三段のアーチ構造の美しさがこの水道橋を魅力的に見せています。
ポン・デュ・ガールに近づいて見てみると、石の形や大きさも揃っていて、アーチも同じ大きさになっています。2000年前に均等にアーチを作る作業や石を同じ大きさに揃えるということは、とても大変なことと思うのですが、なんとコレ、5年で完成しちゃったんです!
アーチも計算されたキレイな円を描いています!古代ローマの建築はどの建築もアーチがキレイなのが印象的です。ポン・デュ・ガールは遠くから見ても近くから見てもとても魅力的な建築物なんです!
オススメの楽しみ方として、ポン・デュ・ガールを見ながらの朝食やランチ。私は朝早くに訪れたので、ニームの駅でパンを買って、朝食にポン・デュ・ガールを見ながら食べました!この景色を見ながらの朝食は最高!
ポン・デュ・ガールを渡ることができる!ガイドツアーに参加しよう
ポン・デュ・ガール自体は無料で見ることができますが、詳しい説明を聞いたり、ポン・デュ・ガールを渡ることができるガイドツアーもあります。ガイドツアーは英語とフランス語のツアーがあり、フランス語のツアーは1時間ごとにあるようでした。私は時間が合わずフランス語のツアーに参加したのですが、絵を使ってユゼスからニームに水を運んだことや、ポン・デュ・ガールの建築についての説明だったので、だいたい理解することができました。
コチラがツアー参加者だけが入れるポン・デュ・ガールの一番上の部分の入口。後からつけられたものだと思いますが、ちょっと神殿っぽいですよね。
この細い通路を通って向こう側まで歩いていくというもの。
中は石でおおわれているので、歩きながら景色を見ることなどはできず、ただひたすら水道橋の中を歩くということになるのですが、なかなか世界遺産のそれも水道橋の中を歩くということはない、というかできないので、旅の記念にツアーに参加してみるのはオススメです。
ポン・デュ・ガールの端の方からは素晴らしい景色が一望できます!この辺りでは一番高い建物がこのポン・デュ・ガールになるので、ココからでしか見ることができない絶景を楽しむことができます。ポン・デュ・ガールの上を歩いてツアーは終了となり、橋を渡りきったところで解散となります。
橋を渡った先にも、おそらく昔はこの橋が続いていたんだろうなと思われる遺構を見ることができます。今は土に埋もれちゃっていますが、当時はもう少し長かったと思われます。
ポン・デュ・ガールを見るならココ!一番の絶景場所
ツアー終了時に教えてもらった絶景場所がコチラ。橋を渡った先を少し上がると見えるポン・デュ・ガール。ココから見るポン・デュ・ガールは息を飲む美しさでした。ツアーで教えてもらわなきゃ多分行かなかったので、ココからの景色を見るだけでもツアーに参加してよかった!と思えちゃいました。
ポン・デュ・ガールのミュージアムにも立ち寄ろう!
インフォメーションのある建物にはミュージアムも併設されています。ミュージアムはポン・デュ・ガールのツアーとセットで購入できます(ミュージアム単品でも可)。このミュージアムではポン・デュ・ガールについての紹介の他に、当時の生活スタイル等も展示されています。
博物館ではポン・デュ・ガールについてのビデオ上映も行われています。コチラは約15分程で、音声がないのが特徴。その代わり映像だけでポン・デュ・ガールについてわかりやすく説明しており、どの国の人もどの言語の人でも理解しやすい内容になっています。
ミュージアム自体は大きくはないですが、ポン・デュ・ガール以外にも古代ローマの家の模型やモザイク画(写真含む)の展示があり、その時代の生活スタイルや建築等がわかり、興味深く見ることができます。
また、どのような工程でポン・デュ・ガールが作られたのかもわかりやすく展示。実はこのポン・デュ・ガールの建築にかかった年月は約5年。めちゃくちゃ早いスピードですよね。古代ローマの技術の高さが伺えます。
時間があれば是非ユゼスの街も訪れてみよう!
水源地のユゼスの街はポン・デュ・ガールからバスで約15分ほどの場所にある街です。中世の街並みを色濃く残した、フランスでも人気のある美しい村の1つ。ユゼスは小路散策が楽しい街なので、是非時間があればポン・デュ・ガールとセットで訪れるのがオススメです。
ユゼスは迷路のような小路が多く、気の向くままに歩くのがオススメの街。建物全体がベージュの色合いで、木々や空の青がとても映えます。小路は人通りも少なく中世にタイムスリップしたような気分にさせてくれます。
またユゼスにはお城もあります。このお城で印象的なのは屋根に紋章があること!旗とかはよくありますが、屋根に紋章が刻まれているのは珍しいですよね。大きくはないものの古代ローマより要塞都市であったユゼスの街を守っている堂々たる佇まいです。
ポン・デュ・ガールへの行き方は?
ポン・デュ・ガールへの行き方はニームもしくはアビニョンからバスで行くことができます。私はニームに滞在していたので、ニーム駅前のバス停から約1時間で行くことができました。バスの本数は断然平日の方が多くありますので、可能であれば平日の方がベストです。
ニームからは121番のバスに乗ってRound point Pont du Gardで下車。
Round point Pont du Gardのバス停で降りると道路が環状交差点になっているので、降りた先(180°向こう側の道)をまっすぐに進みます。
まっすぐ進むと標識もあるのですぐにわかると思います。Round point Pont du Gardのバス停からは10分弱の距離です。
入場料 : 15ユーロ(水道橋の上を歩くことができるガイドツアー、ポン・デュ・ガールを見るだけなら無料)
アクセス : ニーム中央駅から121番バスで約40分、バス停から徒歩約10分【バスのHPはコチラ】
営業時間 : 9:00~17:00(1月、2月、11月、12月)
9:00~18:00(3月、10月)
9:00~18:00(4月、5月、6月、9月)
9:00~19:00(7月、8月)
公式サイト : The Pont du Gard – A symbol of Roman engineering
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