【南フランス】ニームで2000年前の神殿に出会う!完璧なローマ遺跡神殿「メゾン・カレ」を訪れよう!

フランス

南フランスの街ニームは2000年前はローマ帝国の交易・交通の要所として栄えていた街で、街のいたるところにローマ帝国の遺跡が残されています。そのニームでは2000年前の完璧な姿の神殿「メゾン・カレ」に出会うことができます。紀元前16年頃に造られたと思われる「方形の家」を意味するメゾン・カレは、2000年の間に別の建物に転用されたり、修復されているものの、ほぼ完ぺきな姿で残っています。まるでこの場所だけ2000年前にタイムスリップしたかのような気分になる場所です。

完璧なローマ遺跡の神殿を見ることができる!メゾン・カレ

これほど完璧なまでのローマ遺跡の神殿が存在するのか!と思わずにいられないメゾン・カレ。おそらく世界中を探しても、完璧なローマ遺跡の神殿はこのメゾン・カレだけだと思います。まるでこの空間だけ2000年前からやってきたようにさえ思えてしまうメゾン・カレはニームではマストな観光名所。いろいろな説がありますが、ローマのアポロン神殿を模して造ったという説が有力で、当時のローマ皇帝であったアウグストゥスの亡くなった2人の孫に捧げるために造られた神殿です。

メゾン・カレの近くに何もないのは、この神殿のまわりに回廊と建物があったから。他のローマ遺跡にも言えることですが、このメゾン・カレはずっと神殿として使われてはいなかったのです。時にはキリスト教会になったり、時には馬小屋になったり、博物館になったり、と色々なものに転用されながら現在に至ります。博物館と言えば、現在の役割も博物館になるのかもしれません。また、屋根は1992年復元、壁や柱の色は2006年に修復されています。個人的には色が少し白すぎるかな、とも思いますが、多くの部分が残っていたからこそ、ローマ帝国時代の姿に復元できたのです。

メゾン・カレの周りを見てみると回廊の柱跡がところどころに残されています。現在周りにある建物は、当時もこの神殿を取り囲む建物だったと思われます。ローマ帝国時代のニームはこのメゾン・カレの前にフォーラム(公共の広場)があったのでココがニームの街の中心でした。フォーラム以外にも円形闘技場等があり、当時は交易や交通の要所としてかなり栄えていた都市だったことがわかります。

装飾にも注目!美しい柱や天井の彫刻

門の前では是非天井を見上げてみてください!様々な花の彫刻があってとても細かいんです。このメゾン・カレは何度も修復されてきたので、コチラの天井部分も再建されたものになるのですが、当時もこのような模様がつけられていたのでしょうか。

柱は正面に6つのコリント式の柱があり、側面、後ろ側も含め柱の数は計30本。壁のあるところでは柱が埋め込まれたようになっているのが特徴で、他の都市の建築物でも見かける疑似周柱式。紀元前~紀元後すぐの建物は柱の間隔がとても短い気がしますが、やはり建物を支えるということで、柱は大きく、間隔は短くしていたのかもしれません。

柱の上の方は細かな装飾が施されています。おそらくアカンサス(ハアザミ)の模様が描かれていると思われます。というのも、古代ギリシア、古代ローマと柱の装飾によく使われたものなので。また柱は上部にかけて柱が細くなっているエンタシスが採用されており、これも古代ギリシア、古代ローマとよく見る建築様式。現代建築でもアカンサスの装飾やエンタシスは使われているので、この建築技術自体、2000年に渡って受け継がれています。

内部は博物館に!

内部は現在博物館になっており、メゾン・カレについてはもちろん、ローマ帝国や当時の皇帝アウグストゥスについての紹介パネルの展示があります。以前はビデオ上映があったらしいのですが、私が訪れた2023年の夏は特にビデオ上映はやっていませんでした。

当時のメゾン・カレの模型の展示もありました(ただめちゃくちゃ簡易的なものでしたが…)。また、過去に色々なものに転用されていたこともあり、内部には古代の装飾等は一切残されていません。ただ、どの時代にもずっと使われてきたので、2000年の時を超えて残ることができたと思います。

アクセス

入場料  : 5ユーロ(他のローマ遺跡とのセット割引チケットあり)
アクセス : ニーム中央駅から徒歩約5分
営業時間 : 10:00~12:45 14:00~17:00(1月、2月、11月、12月)
      10:00~18:30(3月、10月)
      10:00~19:00(4月、5月、9月)
      10:00~19:30(6月)
      10:00~20:30(7月、8月)
公式サイト : Nîmes la Romaine (arenes-nimes.com)

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