南フランスにあるアルルは「アルルのローマ遺跡とロマネスク様式建造物群」として登録された世界遺産の街。約2000年前のローマ遺跡、中世を感じる聖堂、そして現在が見事に調和した街。そしてもう一つ有名なのがゴッホが滞在していた街ということ。ゴッホの有名作品にはココ、アルルで描かれたものも多いのです。今回はローマ遺跡、ロマネスク建造物の世界遺産とゴッホの足跡を辿るオススメの場所をご紹介します。半日~1日で回れますので、時間がない方にもオススメです。アルルのお得な観光パスを手に入れて世界遺産とゴッホの足跡を巡りましょう!
アルルに着いたら観光パスを入手しよう!
アルル観光の必需品である観光パスは、アルルに着いたら一番に入手しましょう。この観光パスは世界遺産アルルのローマ遺跡とロマネスク様式建造物群を網羅しており、その他にも博物館や美術館にも入ることができます。パスは観光施設で直接買うことができます。観光パスは以下の通りになります。
その他、個々の施設ごとに入ることもできますが、観光パスがとってもお得!オススメはPASS AVANTAGE!全てのモニュメントとミュージアムに訪れるのは1日では難しいですが(ミュージアムの場所が離れているため)、全てのモニュメントとミュージアム1~2つは回ることができます。価格もお手頃なのでPASS AVANTAGEで回りましょう!
まずは世界遺産のモニュメントを巡ろう!
アルルに着いたらまずは世界遺産のアルルのローマ遺跡とロマネスク様式建造物群を巡りましょう!チケットは観光案内所の他、各施設で購入可能ですので、一番近い円形闘技場で購入するのがベスト!
円形闘技場
アルルにある現存するローマ遺跡で最大規模を誇るのが円形闘技場。紀元1世紀頃に造られたもので、20000人~25000人程の収容人数があったとされています。現在は2階部分までしか残っていませんが、当時は3階建てで、主に1階席が権力者や富裕層の席で上に上がるほど席の値段は安かったとされています。また、闘技場と聞くと闘牛のイメージを思い浮かべてしまいますが、当時はグラディエーター、剣闘士同士の戦いで、まさに生きるか死ぬかの戦いでした。
闘技場の中は自由に見学ができます。当時グラディエーターや観客たちが通ったであろう通路を歩くとなんとも不思議な儀文になります。現在は明かりがありますが、当時は結構暗い通路だったと思われます。2000年の時の間、どれほどの人がココを通ったのでしょうか。
闘技場はもちろん素晴らしいのですが、是非見てほしいのが外の闘技場の塔からの景色。ローヌ川の青と木々の緑、オレンジ色の屋根の時代を感じる建物がとても素敵な景色を作り出しています。他に高い建物がないので、かなり遠くまで見渡すことができます。私はココから見たアルルの風景が一番素敵!と思いました。
アルルの円形闘技場前にはゴッホの描いた円形闘技場が展示。ゴッホがローマ遺跡を描いたのはとても珍しいので必見!
アクセス・営業時間
アクセス : アルル駅から徒歩約10分
営業時間 : 9:00~19:00(5月~9月)
9:00~18:00(3月、4月、10月)
10:30~16:30(11月~2月)
※30分前が最終入場(最新版はコチラ)
公式サイト: Les Arènes d’Arles – Site Officiel (arenes-arles.com)
古代劇場
円形闘技場から5分程の距離にある古代劇場。こちらも円形闘技場とほぼ同じ時期に造られたもので、半円型の劇場。闘技場は戦いの場ですが、劇場で催されるのは演劇。上流階級の人たちのアミューズメントであったため、当時はかなり豪華な装飾が施されていたそう。現在は2本の柱と土台が数本残るのみになっています。
5世紀頃までは劇場として使われていたようですが、その後は住宅や教会になって劇場の面影はなくなってしまったそうです。この古代劇場の奥にたくさんの柱や壁の跡が無造作に置かれているところがあり、おそらく古代劇場の跡に建てられた住宅等の一部が置かれているのかな、と思いました。無造作に置かれていますが、こちらも装飾が素晴らしいので見るのをお忘れなく!
アクセス・営業時間
アクセス : アルル駅から徒歩約15分
営業時間 : 9:00~19:00(5月~9月)
9:00~18:00(3月、4月、10月)
10:30~16:30(11月~2月)
※30分前が最終入場(最新版はコチラ)
コンスタンティヌスの公衆浴場
ローマ遺跡と言えば公衆浴場が有名ですよね!ココ、アルルにも公衆浴場が残っています。アルルにあるコンスタンティヌスの公衆浴場は4世紀頃にできたもので、当時のローマ皇帝であったコンスタンティヌスがアルルに滞在したときに造られたもの。
現存するのは現存するのは、テピダリウムの微温浴室、カルダリウムの高温浴室、スダトリウムの蒸気風呂、プールのみですが、当時はそれに加えてフリギダリウムの冷浴室、運動場、宮殿があったそうです。現在残っているところだけで見るとそこまで大きな浴場ではないですが、当時はかなり大きな浴場であったと思われます。
アクセス・営業時間
アクセス : アルル駅から徒歩約15分
営業時間 : 9:00~19:00(5月~9月)
9:00~18:00(3月、4月、10月)
10:30~16:30(11月~2月)
※30分前が最終入場(最新版はコチラ)
地下回廊とフォルム
現在のアルルの市庁舎の下には約2000年前の回廊とフォルムが残っています。フォルムとはローマ帝国時代、その都市の中心であった場所で、商業、宗教、政治等がこのフォルムに集まっていました。もともとは回廊が先に造られ、この回廊を活かす形でフォーラムが造られたとされています。
長く地下に眠っていたフォーラムと回廊なので、当時の何かが展示されている空間ではなく、暗闇の中をまるでゲームのような感覚で思いのままに進んでいきます。途中、このフォーラムと回廊の写真が展示されていて、とても幻想的でした。
アクセス・営業時間
アクセス : アルル駅から徒歩約15分
営業時間 : 9:00~19:00(5月~9月)
9:00~18:00(3月、4月、10月)
10:30~16:30(11月~2月)
※30分前が最終入場(最新版はコチラ)
サン・トロフィーム教会
古代劇場からすぐの場所にあるサン・トロフィーム教会。ココは中庭の回廊がロマネスク様式建造物群の世界遺産になっています。この回廊はロマネスク様式とゴシック様式とで造られていることで有名で、写真左がロマネスク様式、右がゴシック様式となっています。
柱や柱頭にはとても細やかな彫刻が残っていることでも有名。コチラの彫刻はこの教会の名前にもなっている聖トロフィームさんの彫刻。このサン・トロフィーム教会は11世紀にアルルの初代の司教となった聖トロフィームを祀るために造られたものなのです。初代司教とはいえ、3世紀の偉人を祀るために11世紀に教会が造られたことを考えると、アルルでの司教の絶大の信頼さが伺えます。
回廊のある建物の一部は現代アートの展示となっていました。1000年ほど前の建物に現代のアートが何故かしっくりと馴染んでとても素敵な空間になっています。
回廊の2階部分にも上がることができ、上から回廊と中庭を見ることができます。たまたま訪れた時は人が殆どいなかったので、まるで中世の時代に迷い込んだかのような気分になっちゃいました。
サン・トロフィーム教会にはチケットなしで入ることができます。教会はロマネスク様式の傑作と言われていますが、ところどころにゴシック様式も見られます。とても神聖で重厚な教会で疲れた身体と心を癒してくれます。
個人的にとても素晴らしいと思ったのがタペストリー。かなり大きなタペストリーでキリストにまつわる絵が描かれています。教会の横の壁に3枚飾られているのでお見逃しなく!
アクセス・営業時間
アクセス : アルル駅から徒歩約15分
営業時間 : 9:00~19:00(5月~9月)
9:00~18:00(3月、4月、10月)
10:30~16:30(11月~2月)
※30分前が最終入場(最新版はコチラ)
アリスカン
他の遺跡群とは少し離れた場所にあるアリスカンはローマ時代から続く墓地。13世紀頃まではかなり名の知れた墓地だったそうで、周りにたくさんの教会があったそう。アリスカンに入ると並木道が続くのですが、かなりの棺が置かれている棺ロードにもなっています。当時は彫刻等が施された豪華な棺があったそうですが、そういったものは盗まれて、現在はシンプルな棺のみ残されています。
当時墓地の周りにあった多くの教会はなくなってしまいましたが、一番奥にサン・トノラ教会が残っています。といっても、今は廃墟となっている教会ですが、長くアリスカンを見守ってきたであろう教会はとても荘厳な雰囲気に包まれています。
アリスカンの並木道もゴッホの作品に残されています。ココで紹介されているのは落ち葉という作品でしたが、秋の景色が美しいが描かれています。ちなみにアリスカンの並木道という作品は2015年の競売でなんと6600万ドルの値が付いた作品!
アクセス・営業時間
アクセス : アルル駅から徒歩約25分
営業時間 : 9:00~19:00(5月~9月)
9:00~18:00(3月、4月、10月)
10:30~16:30(11月~2月)
※30分前が最終入場(最新版はコチラ)
時間があればミュージアムも!
世界遺産のモニュメントを見て時間があれば是非ミュージアムも覗いてみましょう!一番訪れやすいのがコンスタンティヌスの公衆浴場近くにあるレアチュー美術館。残念ながら私が訪れた日が定休日だったため入っていませんが、15世紀に建てられたマルタ騎士団の建物にピカソの作品や多く展示されていることで有名です。個人的にオススメは少し離れていますが考古学博物館ですが、ゴッホに興味がある方はゴッホ財団美術館がオススメです。
考古学博物館
私は時間的に1つしかムリだったため、考古学博物館へ。アルルで発見された彫刻やモザイク、アクセサリーや生活用品等、たくさんの展示物を見ることができます。その中でも一番の見どころはローヌ川で発見された約2000年前の船。2004年に発見され、なんと7年かけて引き上げられたそうです。この船が造られたのが紀元50年ごろと推測され、商品の輸送、運搬のために使われていたものだと思われます。
次に魅力的だったのがモザイク画。かなり多くのモザイク画が展示されており、大きさも大小様々、非常に状態のよいものも多く残されています。そして、近くから見ることはもちろん、上からも見ることができて、かなり見学方法に拘っているな、と思いました。
アクセス・営業時間
アクセス : アルル駅から徒歩約30分
営業時間 : 9:30~18:00(火曜日定休)
※30分前が最終入場(最新版はコチラ)
公式サイト: Musée Départemental Arles Antique
観光しながらゴッホの足跡を辿ろう!
アルルにはゴッホが描いた場所にレプリカのパネルがあり、ゴッホの足跡を辿ることができます。全てのパネルのある場所に訪れることはできなかったのですが、観光しながら訪れることができるゴッホの描いたゆかりの場所を巡ってみました。
黄色い家
黄色い家はゴッホがアルルで借りていた家の建物。黄色い家自体は第二次世界大戦でなくなってしまったのですが、後ろの建物は現役です。この黄色い家ではゴーギャンと共に生活もしていたのですが、絵に関する価値観、スタイルの違いでゴーギャンが家を出て行ったと言われています。
アルルの闘牛場
アルルで約200点ほどの絵画を描き、たくさんの代表作を残したゴッホですが、ローマ遺跡を描いたものは殆どないと言われています。この円形闘技場を描いた作品もあまり知られていないのではないでしょうか。たくさんの闘技場に集まる人々が当時の円形闘技場の賑わいを感じることができます。
アリスカンの落ち葉
当時と全く変わらない姿を現しているアリスカンの並木道が描かれており、秋の雰囲気を感じられる作品。このアリスカンの落ち葉以外にもアリスカンの並木道も描いています。また、ゴーギャンも同時期にアリスカンを描いていることで有名です。ココはチケットが必要です。
アルルの診療所の中庭
現在、文化センターとなっているエスパス・ヴァン・ゴッホは、元はゴッホが入院していた精神病院です。中庭は当時の姿を再現し、ゴッホが見たそのままの中庭を見ることができます。
その他にも有名な作品として、アルルの跳ね橋や夜のカフェテラス等があり、ゴッホの描いた絵そのものを見ることができます。
近郊都市からも訪れやすい!見どころ満載のアルル
ローマ遺跡、中世のロマネスク様式建築、ゴッホの作品たちと見どころ満載のアルル。アヴィニョンやニームから約30分程で訪れることができるので、近郊の都市から日帰りで訪れることも可能です。アルルで様々な時代の見どころを満喫しちゃいましょう!
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