日本でも人気のマジョリカタイル。イギリスから伝わり、日本独自のデザインを加えた和製マジョリカタイルが明治後期から昭和初期にかけて作られ、主に海外向けに輸出されていました。その輸出国の1つが台湾で、当時は富裕層でかなり人気が高く、主に外壁や屋根、玄関等に装飾されていました。近代化が進む中でだんだんと少なくなってきた和製マジョリカタイル。嘉義にある台湾花甎博物館(台湾タイル博物館)は和製マジョリカタイルを各地から集めた博物館になっています。
和製マジョリカタイルって?

そもそもマジョリカタイルって何?と思われている方も多いのでは?マジョリカタイルとはイギリスの陶器メーカーのミントンがマジョリカタイルとして売り出したのが始まり。日本でもこの本家のマジョリカタイルを輸出して当時の洋館等の装飾に使われていました。ただ輸出ものなのでお値段が高い、ということで日本国内で生産されたのが和製マジョリカタイルなのです。

和製マジョリカタイルは大正時代から昭和初期に全盛期を迎え、日本国内よりも輸出に力を入れていたそうです。和製マジョリカタイルは台湾以外にもマレーシアやシンガポール等でも見ることができます。おそらく日本国内よりも外観を装飾する文化のある中華圏に人気が出たのかな?
台湾花甎博物館にあるのは全て和製マジョリカタイル!

入ると一面にマジョリカタイルで埋め尽くされている台湾花甎博物館。この博物館にあるオリジナルのタイルは全て日本製の和製マジョリカタイル!タイルには花やフルーツがよく描かれています。このタイル1つ1つに意味があり、桃の絵柄は「子孫繁栄」、四葉のクローバーは「夢の実現」等、それぞれの思いをタイルに込められているのです。

かつては多くあった伝統的家屋に使われた和製マジョリカタイルですが、戦後の近代化や、相続の問題等で伝統的家屋が取り壊され、それに伴い和製マジョリカタイルもとても少なくなっているのです。台湾花甎博物館では取り壊し予定の家屋等から和製マジョリカタイルを集め、独自の洗浄で現代によみがえらせているのです。
インテリアにも注目!色褪せないマジョリカタイル

2階には和製マジョリカタイルを使ったインテリアが展示されています。シンプルな家具にマジョリカタイルの華やかさとレトロさがとても素敵!和洋中、どんな家具にも合うのがマジョリカタイルのすごいところ!

インテリアはテーブルやイス、ミラー等様々なものが展示されています。どの家具も100年ほど前のものなのに、タイルが全然色褪せていないことにびっくり!まさに一生もののタイル!

かつては宿泊もできたようでその名残か、バスルームや洗面台等も残されて展示されています。とっても素敵なタイルの使い方は家造りの参考にもなるかも?
マジョリカタイルの作り方や説明も

また、この博物館は現在和製マジョリカタイルを復刻すべく、手作業でマジョリカタイルの制作もしています。タイルの作り方の工程の紹介や、タイルに描かれているデザインの意味等がパネルで紹介されています。

嬉しいのが各説明それぞれに日本語の解説もついていること!より一層理解が深まります。
魅惑のお土産売場!人気はコースターや鍋敷き

1階にはお土産も売られており、復刻版(レプリカ)の和製マジョリカタイルの他、コースターや鍋敷きからマスキングテープ、アクセサリー等の雑貨までたくさんの商品が並びます。復刻版のタイルはお高めですが、その他はお手頃価格。お家で手軽にマジョリカタイルを取り入れることができるコースターや鍋敷きが人気です。
営業時間・アクセス
アクセス : 台鉄嘉義駅から徒歩10分
営業時間 : 10:00~17:30
入場料 : 100元(50元のお土産に使える割引券付)
公式サイト:花磚博物館
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